春の海
作曲者 宮城道雄
作曲年代 昭和四年
略解 : 琴と尺八の合奏による純器楽曲です。
かつて、宮城道雄先生が、春の瀬戸内海を船で通られた時の印象を曲にされたそうです。
曲の構成は三部形式。第一部は緩やかな波の感じで始まります。
船にあたる小波の音や、かもめの飛び交う様子を表しています。
ここでも、擬音を巧みに使って、様々な表現をしていますが、特に「かもめ」の鳴き声は、正に、その通りにしか聞こえません。
第二部はテンポを速め、勇ましく、櫓拍子(ろびょうし)の漁船の行きかう様子を表したと伝えられています。
第三部は第一部の反復により、再び緩やかな春の感じに戻ります。
春の海の様子が目前に浮かんでくるような、臨場感 溢れる曲です。
演奏技術と合わせ、表現力も重要になりますが、琴奏者は尺八と合奏することで、特に気分も盛り上がる人気の高い曲です。
春の海
2020.4.8