今、長男に「六段の調」を教えています。
本人が六段を弾きたいと言いだしまして。
とはいえ、まだ小学三年生。
三年生の中では、背の高い方ですが、
大人に比べれば、まだまだ、背も低く、手も小さく、腕も とても細いのであります。
ですから、「六段」を弾くのは キツイのではないかと・・・
「押し手」だらけですものね。 大人だって、難儀して弾くんですから。
身体の小さい子供に教え急ぐと
「六段」に嫌なイメージを持ちかねない。
初めての稽古では、じっと様子を見ておりました。
やはり、「オ四」では、なかなか 手が届かず、難儀していましたが
私の心配をよそに、ゆっくりとしたテンポで
六段の節を 楽しんでいる様でした。
そして
「ぼく、六段の初段が好き。」と言ってくれました。
「六段」は、「押し手」や「ひきいろ」が多く、
左手を疎かにすれば、当然 曲になりません。
長男は、双調で 稽古していたので(ますます四が遠いわ)
「次回は、高調子(壱越)にしてあげるね。」と約束しました。
そして、今日、壱越(高調子)で「六段」の稽古をつけたのですが・・・
初段のはじまり
五
ヒ
三
一二
を弾くと、開口一番
「ぼく、これヤダ!昨日(双調)のがイイ!」
驚きです!しっかり違いがわかっていました。嬉しいです。
実は、私も「壱越」で弾くより
「双調」でひく方が好きなんです。
「押し手」は、やりにくくなりますけどね。
「壱越」は、少し キンキンいいずぎかな。
「双調」は、低音で
まるで 母に抱かれるような 優しく、奥深い音色がいたします。
お爪の タッチも 心地良いです☆
すぐ、低調子に変調すると、長男が自由に稽古を始めました。
まず、初段を弾いて(当然)、
次は、なんと三段目の途中へ飛んで(エッ?)、
最後まで 弾いたら(うんうん。)
二段へ戻って(ウソ~!)
そのまま、三段弾くかと 思いきや、
初段の最後「一 五 三 一二」を弾いて終わりました。(やれやれ)
自由すぎる・・・
でも、たくさん弾いてくれましたよ。
稽古がおわると
「ぼく、指が強くなりたいなぁ。
そしたら、押さえが痛くないもん。
ぼく“ヲ”が 大好き。
“オ”は 嫌い! “最強押し”は、大嫌い!」(はい、良くわかります!)
男の子って、本当に純粋で可愛いです。
琴を教えるのは、試行錯誤の連続です。
教える喜び、そして苦悩。(喜びだけなんて、綺麗事は書けません)
基本には厳しく。伝統を重んじ。
でも、子供のすばらしい感性は、伸ばしてあげたいと思います。
私の大好きな「六段の調」
この曲の持つ力は、圧倒的です。
その調べは、小さな子供の心をも魅了します。
だから、作曲から 何百年経つ今も たくさんの人から愛され続けているのですね。
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2011.12.15
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